2019/12/04

読書メモ: 台湾 ― 四百年の歴史と展望 (中公新書)

伊藤潔、1993年。新書を読んだので、ざっと内容をメモ。

先住民は清の支配を受ける。反乱を恐れ、人口増加を抑制するのが基本。主に移住民の武力蜂起多数あり。
移民は単身男子が主で、先住民との混血がすすむ。経済的には、米や砂糖を供給し日用品を買う植民地に近い存在。

1860ごろ、欧米に解放される。日本もこの時期に台湾に出兵するが撤退。

甲午農民戦争が発展し、1894日清戦争後に日本に割譲、これに反対して独立宣言するも日本が侵攻する。アメリカのようにフランスの援助に期待したがダメ。抵抗は激しかったが、近代化した日本軍はすぐに北部から全土を制圧。台湾側の死者14,000人。

国籍の選択を強要。一応選択権を与えるが、日本人にならなければ退去。インフラ整備もこの時期。1900前後。

1911が独立の年になっている。統治下の教育はとくに遺産として優れていると考察。台湾総督府が中心、台北にある。

1931 満州事変、日中の対立が深まる。台湾支配が強まる。姓改名運動など。太平洋戦争で重工業が発展。当初は徴兵なし、のちにあり。戦死者三万、一切の補償なし。1987にようやく。

中国では孫文・蒋介石の国民党と毛沢東の共産党。抗日戦線でともに戦うが、そんなに仲が良かったわけではない。
日本の敗戦で中国に返還。1946に総督府廃止、約50年の統治だった。国籍が日本から中国へ。中国の支配は、文化的、経済的に日本支配よりも劣ったものだったと書いてある。この不満が爆発したのがニ・ニハ事件。中国国民党の報復は苛烈を極めた。

1949 中国共産党が中華人民共和国を作る。国民党の蒋介石は台湾へ。朝鮮戦争により西側陣営に組み込まれる。つまりアメリカの保護を受けて発展していくことになる。文化大革命は1966年。知識人が殺される。共産党は農民、国民党は知識人というと単純すぎるかもしれないが。日本とは1972年に国交を絶っている。

つまり、現在の台湾は国民党の蒋介石に由来するが、日本が統治していたのはそれよりも前である。清、日本、中国が順に植民地とし、それから国民党が移ってきたという流れを確認できてよかった。
2019/06/18

The N Terminus of Myxococcus xanthus CarA Repressor Is an Autonomously Folding Domain That Mediates Physical and Functional Interactions with Both Operator DNA and Antirepressor Protein

The N Terminus of Myxococcus xanthus CarA Repressor Is an Autonomously Folding Domain That Mediates Physical and Functional Interactions with Both Operator DNA and Antirepressor Protein

Pérez-Marín MC, López-Rubio JJ, Murillo FJ, Elías-Arnanz M, Padmanabhan S.
JBC, 279, 33093-33103, 2004

タンパク質-タンパク質やタンパク質-DNA相互作用を調べる実験はいろいろある。免沈-WB、pull-down assay、転写因子ならルシフェラーゼアッセイやEMSA。

ちょうどゲル濾過が毎日のように走っているので、これで証明できないかと思って調べていて見つけたのがこの論文。これでOKなら、キットを買うよりも簡単そうだ。

・カロテノイド生合成に関わる carB オペロンは、暗黒条件下では CarA によって抑制される。
・光が当たると、CarS が CarA と直接相互作用することによって、この抑制を外す。
・この論文では、CarA の N 末端ドメインがタンパク質同士および DNA との相互作用に重要なことを示している。

ゲル濾過の Fig. 5 を中心に解説。

A と B は基本的に同じ手法なので、A のみ。横軸が時間ではなく volume なので、左側が高分子量になる。下のパネルは CarA の N 末端部分および CarS をそれぞれ単独で流し、elution pattern をマージしたもの。上のパネルは mix。大きい分子量のピークが現れている。それぞれの分子量も正確に計算している。

Perez-Marin_2004a.png

FIG. 5. Analysis of CarA(Nter)-CarS interactions by analytical gel filtration. Shown are elution profiles off Superdex-200 in 150 mM NaCl, 50 mM phosphate buffer (pH 7.5), 1.4 mM 􏰏-mercaptoethanol, at room temperature. A, mixtures of CarA(Nter) and CarS. The corresponding His6-tagged proteins were cleaved with thrombin; CarA(Nter) was purified by reverse-phase HPLC, and CarS was purified by dialysis. B, mixtures of CarA(Nter) (as in A) and His6-CarS1. The bottom panels show the elution profiles for the pure proteins; the top panels show mixtures of the two proteins in equimolar amounts (a), or with a 2-fold (b) or 3-fold (c) molar excess of CarS or CarS1 over CarA(Nter). Note that the extinction coefficient at 280 nm is considerably lower for CarS1 (1 Tyr) than for CarS (1 Tyr and 1 Trp) as listed under “Experimental Procedures.” The apparent molecular weights calculated from the elution volumes are described in the text.

他の方法ではタンパク質相互作用を調べておらず、これが唯一のデータ。信頼性が高い手法と言えるだろう。この論文では DNA との結合も見ているが、これは放射性ラベルを使った普通のゲルシフトアッセイ。

2018/07/18

総説を査読するときの表現、チェックポイント

原著論文を査読するときの英語表現、ポイントは UB3 にまとめているが(サイドバーから Ultrabem メインまたは 3 へ行って、さらにサイドバーの「英語」をクリック)、総説の査読はレア。

まだまとまりきっていないので、とりあえずブログにメモ。次のような項目をチェック。

1. トピックの選び方。ジャーナルの方針、その分野がどのような総説を求めているかというニーズに対して、too broad であるとか、too specific であるとか。

2. 論文の引用。ちゃんと新しい論文までカバーしているか、分野の重要論文の見落としはないか。

3. 専門性と読みやすさ。対象とする読者層と言ってもいい。
"manuscript is valuable for the public to give a brief introduction on ***. However, as for the content in a professional journal, the review is strongly suggested to cover..."

4. 図表。だらだらと書くよりもわかりやすくなる場合が多いはず。

2018/05/22

Healthy ageing of cloned sheep

論文メモというカテゴリーを作りました。未整理、あまり精読してない論文についての覚え書き。情報がまとまってきたら、本家サイトにページを作るかも、という内容。

Healthy ageing of cloned sheep
Nat Commun, 7, 12359, 2016

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クローン羊を使って、核移植が老化に及ぼす影響を調べた論文。有害な影響はみられないという結論。

・ Somatic-cell nuclear transfer (SCNT) で得られた生物に対する初めての長期追跡調査。
・ ドリーを生んだ細胞株から得られた 4 匹を含む、13 匹を対象とした。7-9歳のヒツジ。
・ 血圧、代謝、関節の画像解析など。老化のパターンは、健康な個体と変わらない。
・ テロメア長が短いはず。